瀬とり の日記
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命の出汁
2017.11.12
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濃口醤油、淡口醤油、白醤油、たまり醤油、二度仕込み醤油、甘露醤油、甘口醤油、
醤油も色々ありますね。
その地方 地方で特徴や使い方も様々。
間違えないでいただきたいのは、淡口醤油であって薄口醤油ではないですよ。
色が淡いと言う意味。
出汁なんかも昔は(今や流通の発達とメディアのおかげで簡単に情報が収集できますが)軟水の関西に対し硬水よりの関東、昆布出汁に対し鰹出汁、それにあった味付けとして塩に対し濃口醤油、京料理の影響により素材の色を活かす淡い醤油、商人の街 公家の街 武士の街。
それぞれが相まってよく対比される関西と関東の味付け。
正直私はそれぞれを比べないで個々の違う料理と捉えているので、どちらが上とか好きとかありません。
日本料理の味の決め手は出汁に尽きます、当たり前ですが瀬とりではケミカル(笑)なヤーツは全く使いません。
ここで最も基本の出汁、一番出汁(今回は鰹と昆布の合わせ出汁、二番出汁は一番出汁をとった後の鰹節や昆布でもう一度出汁を引くこと)の取り方を少し教えましょうか?
まず昆布ですが洗わないでね、固く絞ったフキンなどで表面の汚れを拭いて下さい。
できれば 暖簾 のように包丁も入れましょう。
そして出汁をひく前に水に浸し、昆布の水出汁をとります。
それからその水出汁をゆっくりと温度を上げていきましょう、強火はやめましょう。
温度が上がってきました、80度〜90度くらいになれば充分、昆布を取り出します。
そして強火に、グラグラ沸かして 出てきたアクは丁寧に取って下さい。
沸かすのは昆布の生臭みを飛ばすため、ここで火を止め水を差し温度を少し下げます。
そして鰹節を投入、ゆらゆらと沈んでいきます、鍋底まで沈んだらサラシやキッチンペーパーなどで濾して完成。
決して鰹節の含んでいる出汁とかを絞らないようにね。
出汁ひとつでも結構面倒ですね、せやけどこれで美味しい出汁がとれました。
あとはガンバって(笑)。
さてさて本日の旬魚たちは、天然真鯛の昆布〆にコロダイ、チヌは香川から。
カツオは高知産、備讃瀬戸のサワラはもう寒サワラと呼びましょう。
香川のマダコに日和佐のアオリイカの軟体家族。
山口のトリ貝と根室のホッキ貝。
マダラの白子は北海道は浦河産、ポン酢か天ぷらで。
焼き物にはサワラのカマとコロダイのカマ。
山本さん!事件ですか?!そーなんですよ川崎さん。
???ではなくウッカリ煮付けにする魚を買い忘れ。
てなわけで本日は煮魚は無し。
カウンターに飾ってあるクリムゾンレッドのアルストロメリア、なんと美しい!
月曜まで持つかなぁ?やっぱり切り花は少し可哀想な気がする今日この頃。