瀬とり の日記
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瀬戸内春の小魚祭り
2018.02.11
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皆様は瀬戸内海というと何を思い浮かべるでしょうか?
穏やかな海?幾つもの島?村上水軍?数々の名橋?
何度かお話はしましたが私の実家は淡路島の突端 松帆の浦から明石海峡をはさんだ所、石を投げれば海に届くくらいの明石市の中心の海べりにありました。(何故過去形なのかと言うと震災で全壊して今はそこに無いからです)
現在のように高層マンションが海沿いに無い頃は、たった4キロ足らずの海の上に浮かぶ淡路島が手に取るように私の部屋から望めました。
幼少期から高校生までそこで暮らした私は何をするのも海、生活の一部。
犬の散歩も海、当時の彼女とイチャつくのも海、台風の後に頭を怪我して打ち揚げられたイルカを見たのも、初日の出を見るのも、立ち小便をするのも、ウミウシに爆竹を仕掛けて爆破するのも、拾ったエロ本をドキドキしながら見るのも、隠れて煙草を吸うのも、友達とくだらない事を言って時間が過ぎるのもいつも海でした。
実家の前に大きな入江があって、なんとそこは魚の宝庫。
ハモや明石タコなんかも釣れたんですよ。
その頃は子供の人口が多く学校が足りなくなり、私の大好きだったその入江は端から埋めたてられ、どんどん中心に水たまりのごとく小さくなっていき、その水たまりの中で行き場を失って飛び跳ねる魚を呆然と見つめていた事もありました。
そしてその場所は現在でも小学校が建っております。
子供なので、こいつら何すんねん!俺の大事な入江を!と毎日思っていました。
暇があると海へ行き、釣りをしているオッちゃんのクーラーボックスを勝手に開けて釣果を覗き見。
爆釣オッちゃんは武勇伝を話しだし、ボウズ(釣れてない状態)のオッちゃんは こら!
クソガキ!勝手に人のクーラー開けるな!と怒鳴ります。
因みに実家に帰った時に私の奥様を海に付き合わせますが、あの子は日光と潮風を1分以上浴びると身体が溶け出すのですぐに帰ろうとゴネます。
そんな私の瀬戸内海のイメージのひとつ、白身と小魚の海。
本日瀬戸内春の小魚祭り(どっかのパン メーカーのCMみたいやが)と題しまして、
少々面白いものを。
まずは春告魚と書きましてメバル、香川の黒メバル(オキソ)を珍しくお造りで。
まぁ手頃サイズですが泳いでいたのを〆てもらったので間違いないところ。
そして春と言えばこの子、香川の大きなシロギスは焼き霜造りで、キスは皮を引いてお造りにしたりとか昆布〆とかありますが、こんなに旨い皮を外す手はない。
更に備讃瀬戸の脂乗り抜群の寒サワラ、紀淡海峡の大きな瀬付ヒラアジもお造りで。
またまた香川の寒ビラメとマダコ。
観音寺の大きなトリ貝、とここまで春の小魚祭り。
他には野付の天然ホタテ貝柱、本日のヨコワは壱岐産です。
先日入れた松浦のヨコワは漬けにしましょう。
煮付けは前述の黒メバルを煮ますか(カッコええ、泳がし活〆を煮る)。
焼き物にサワラ、半身をお造りにして半身を焼き物に、魚がええから塩焼きで。
なんならオキソも焼けますよ。
遠く離れた瀬戸内海から届いた子達、是非ご賞味くださいね。
