瀬とり の日記
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石を投げれば?
2019.12.06
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ご存知の通り 瀬とり は西日本の旬魚を中心に板前の私自身関西出身という事もあり、お出ししている料理も西日本方面のメニューや味付けとなっているものが多いです。
ネットや口コミ、ご紹介などで関西方面出身の方がよくご来店されます。
今週も同じ日に2組の関西出身のお客様、ご夫婦とお一人のオジ様が初見でご来店。
そのお客様しかり、過去にも初見で見えられた関西出身の方がほとんど言われる事、階段に貼ってあるポスターを見て「明石焼きは出さないの?」。(地元では玉子焼きが正式名称ですが、観光客等が混同するので現在は明石焼きで統一されています)
出しません!出せません!(笑)理由は4つ。
一つ!人の世生き血を啜り、二つ!不埒な悪行三昧!
ちゃうがな!何言うてんねん。
まず和食店にはちょっと?次に明石焼き専用の銅製鉄板が無い、明石ダコ必須(高い!買えん!)、最大の理由は焼けません(技術)。
モノホンを食べた方はご存知と思いますが、出汁に浸して食べる際モノホンは箸で引き上げるのが難しいほど柔らかいのです。
それは小麦粉を入れるタコ焼きと違い、明石焼きの生地は卵と出汁のみで(実際には小麦粉からグルテンを抜いた浮き粉〔じん粉〕を少し入れます)それが元々玉子焼きと呼ばれる由縁。
あの柔らかい生地の中心にタコを入れ綺麗に丸く焼くには熟練の技と経験と熱伝導率の良い銅製の鉄板が必要で、私は焼けません。
中東で「石を投げればムハマドに当たる」と言われますが?同じくらい?(笑)明石では「石を投げれば明石焼き屋に当たる」と言われるほど明石焼きを提供する店舗があり、一説では200軒ほど市内にあるようです(専門店以外の提供店も含む)。
ですが、地元民は物心ついた時から行く店を決めており、地元民がおススメする店はその中わずか20軒ほど。
外国向けの日本旅行ガイドブックに「日本で最も有名なフィッシュマーケットは豊洲(築地)であり、二番目は明石の魚の棚」と表記されているらしく、あんな田舎町やのに外国人の観光客が多く、数ある明石焼きの店の中には観光客相手だけに粗悪な品を出す店舗も多くあります。
簡単判別法は、出汁に浸しても簡単に箸で持ち上げられる、中身にタコを以外を入れる、こんな店はバッタもんですわ。(個人の見解です)
もし京都や大阪や神戸や姫路城とかにご旅行の際はついでに(ついでにね)少し足を伸ばして(めちゃ近いです)ホンマもんの明石焼きと魚の棚を経験してくださいね。
その時神戸から明石までは「山陽電車」に乗るのを忘れずに。(眺望は超オススメ)
毎回初見のお客様に階段のポスターの事を聞かれた時に決まってお答えするのは「地元の同級生が役所や漁協に勤めていて、応援のためにポスターや写真を送ってくれるんです」。
今年も都市開発推進課の同級生が淡路信用金庫のカレンダーを送ってくれるみたいです、感謝感謝。
では本日の旬魚は?三本松の天然丸ハギ、特筆!観音寺の4.7kgの寒サワラはマジ旨いですよ。(さすがに一本丸々は買えないので骨付き半身)
香川の天然真鯛、香川のハリイカ。
長崎の10kg弱の本ヨコを腹側4分1。
備讃瀬戸のサヨリ、野付の天然帆立貝柱、厚岸のマツブ。
焼き物に天然佐渡ブリの照り焼き、サワラのカマ焼き。
煮付けは天然真鯛のカブト。
週末です、忘年会等呑む機会と増えると思いますが瀬とりも忘れずにね。
