瀬とり の日記
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一 二
2020.07.12
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今年の土用の丑は二の丑まであります、今月の21日と来月の2日。
土用と言えば夏のイメージですが、一年に土用は4回あります。
立夏 立春 立秋 立冬の前 18日間が土用で、初日を土用入りと言います。
鰻を食べる土用の丑は立秋の18日前から始まり干支は12しかないので18日間に一度の年と、二度目の二の丑がある年が今年の例ですね。
鰻 鱧 穴子などはみなさん仲間でウナギ目に分類されますが、これらは全て夏に抱卵するので夏が旬とは言えない魚。
確かに私が夏によく使う鱧はお腹にいっぱいの卵が入っていますが「鱧は梅雨の水を飲んで旨くなる」と昔から言われますし、実際夏の鱧しか私は食べた事も扱った事もないですが、どうも鱧に限っては夏の方が旨いと漁師も言っていた記憶があります。
もっぱら漁師たちは脂が乗った魚を重宝するので鱧でも「落ち鱧」といった晩夏か
ら初秋のものを好みますね。
鰻も本当は冬が旨いらしいですが、現在私たちが口にする国産鰻のほとんどは養殖なのでハッキリ言って季節は関係ないですかね。
実際冬の天然鰻なんてまず口にする機会は一生来ないでしょうね。
穴子も夏が旬と言われますが、確か明石の漁師は「冬が旨い」とこれはハッキリ言うてました、ただ今まで何度もこのブログ上で紹介してきましたが、「乗っ込み」時の豊漁期が旬と言われる魚はたくさんいますが、本当はそうでない魚やその通りの魚や周年旨い魚や獲れる地域で旬が違うなんてのもありますね。
一般的に夏が旬と言われている魚でも冬にたまに揚がる大きな物が旨いなんてのもありますし、鱸のように旬と言われている夏以外「猫またぎ」なんてのもありますね。
可哀想なのは(笑)ある高級魚の旬が冬でその魚が夏に不味くなるとします、その高級魚に似た身質の周年旨い魚が無理矢理旬を夏にされてしまった例もあるんですよ。
ちなみに鱧などは表面をサッと霜降りしたり炙ったりで中がレア状態で食べたり、近年穴子のお造りなんてのも割と一般的になってきましたが、鰻は血液に毒があるのでほとんど生食はしません。
どうしても食べたいならヌメリと血液をとことん洗い流し薄く削ぎ切りに引けば食べれるでしょうが(実際提供している店もあります)そこまでして食べてもたいして旨くなくやはり蒲焼きが断然です。
要はなんでも生を有り難がるのは?がつきますね、秋刀魚なんて生で食うもんやおまへんで!塩焼きが一番。
さて今年の梅雨は短いなんて言うてましたが、なんて事はない例年と変わらないようで、この梅雨の豪雨で被害を受けた地域にはホンマにこれ以上は「やめたって」と切に思います。
では本日は?
ホンマに今年はコヤツは高すぎ!牟礼で揚がったアマテガレイ(マコガレイ)、いやマジ超高級魚です。
淡路は福良の鱧、庵治の天然真鯛。
宇和島のシマアジ、玄界灘のケンサキイカ。
厚岸のマツブ、大奮発して買った茅部のムラサキウニ(ホンマ食べてけれ)。
煮付けは真鯛のカブト、対馬のノドグロ。
焼き物はシマアジ塩焼き。
鱧の天ぷらも旨いですよ。
それではお待ちしております。(ご来店の際は必ずお電話でお問い合わせしてからね)
